- 【役員ロングインタビュー】リアライブ、新体制へ
2023年10月より、リアライブの創業者であり、代表取締役社長の柳田将司が会長に就任することになりました。
新代表取締役社長には、松島悟(ブティックス株式会社執行役員兼任)が着任しました。
このたび、柳田、松島に加え、ブティックス株式会社の代表取締役社長であり、この度リアライブ取締役に着任しました新村祐三の三役に、リアライブの創業から現在、そして今後についてインタビューいたしました。ぜひ、最後までお読みください。
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Q.柳田さん、なぜ、リアライブを創業したのですか。
柳田:2012年4月に創業しているんですが、「入社3年後のミスマッチをなくす」というのを理念に掲げ、それを実現すると決意して創業しています。私が新卒の採用・就職活動に対してずっと感じていた問題意識としては、「大手就職サイト偏重による採用・就職のミスマッチ」でした。それにより採用側は母集団形成や早期離職に苦しんでいたり、学生側も自己理解不足・企業理解不足に陥っていたり。このような採用・就職活動における歪みを是正したい、というのが創業に至った一番の想いです。共同創業者と2人で2011年9月から毎週、「人材業界における何の問題を本気で解決したいのか」というテーマで、問題を社会全体・学生側・企業側・大学側の4つに分けてとことん洗い出し、それぞれに対して本質的に何を解決しなきゃいけないのかというのを壁打ちして。その結果導き出した最終的な結論であり、ステートメント化したのが「入社3年後のミスマッチをなくす」でした。それに至ったプロセスは当社ホームページのトップ画面上に公開しています(https://www.realive.co.jp/)
Q. その後、リアライブはどのように成長していったのでしょうか。
柳田:マッチングイベント『ジョブトラ』を創業1年目からスタートしまして、それが当社の基幹事業に育っています。創業当時は小規模(参加学生50名、参加企業6社)マッチングイベント自体がそもそも殆どないサービスだったのですが、イベント当日に学生と企業とが相思相愛になるためのマッチングシステムを導入したり、事前対策できないため学生にとっては非常に困難な課題となるビジネスゲームの導入や、iPadの活用など、今までになかったものを創業1年目にゼロから作っています。私は当時から、就活解禁前からインターンシップなどを通じて企業と学生とが直接出会いながら相互理解していくことによって採用におけるミスマッチをなくせると考えていたので、それが世のインターンシップニーズの益々の高まりと相まって多くの企業様に受け入れられたという状況でした。6期目終了時点で、年間約300回ほど開催するようになり、150坪の森ビルにも移転して、社員数も75名くらいまで一気に拡大成長させることができました。その勢いのまま上場準備をはじめたんですが、思うように組織化・仕組み化ができなかったことから業績が伸び悩みました。その時にちょうどコロナがきて、対面型イベント事業にこだわりを持って急拡大させてきたので、このままだと難しいなと思って、上場準備は凍結する、という意思決定をしました。
Q. 今回のブティックス社との資本業務提携に込められた、創業者としての柳田さんの戦略的な意図、問題意識について教えてください。
柳田:大きく2つあります。ひとつ目、これが最も大きな狙いとなりますが、「入社3年後のミスマッチをなくすために、当社のサービスを新卒採用市場におけるデファクト・スタンダードにするため」です。ただ、当社の独力だけだとその実現にはすごく時間がかかるな、という実感がありました。パンデミックの第1期が収束に向かったタイミングでも110%の成長率しか出せていなくて、このままのスピード感では『ジョブトラ』年間1,000開催の実現までにあと何年かかるんだろうと。『ジョブトラ』って若年層と企業とのミスマッチをなくすという観点ですごく効果的で良質なサービスだと自負しているので、これを一刻も早く社会に広めることが、私としての使命感であると強く考えたからです。それには、我々に共感して一緒にこの思いを実現してくれるパートナーが必要だと感じ始めていました。もう一つは、「一緒に頑張って数々の困難を乗り越えてきてくれたメンバーの待遇面を上げたいため」です。今迄の独力のみだと出せる利益は限られているので、上場企業と一緒になって、共にシナジーを発揮しながら利益を出すことによってその実現を図りたい、ということです。
Q. この度、ブティックス社とのご縁がどのようにしてできたのか、その時のエピソードについて教えてください。
柳田:2022年10月頃から、私からアプローチさせていただいた複数社様と資本業務提携の話を進めていたんです。その中で一番熱い想いを持っていただいたのがブティックスでした。最初の面談から新村さんをはじめ4人の役員陣の皆さんにお会いしたのですが、その際にグループインするとステークホルダーに対してどんなメリットがあるのか、社会に対してどんなインパクトを与えることができるのか、などなど最初から熱烈なアプローチでした。こういうケースって「まずは話を聞きましょう」というぐらいのスタンスが一般的だと思うのですが、グループインするとこんなメリットがあるとか、一緒になってこういう未来を実現したい!みたいな話を真剣にしていただき、そこに私は強く惹かれました。
Q. 最終的に、ブティックス社と資本業務提携する決め手は、何でしたか。
柳田:大きく2つあります。1つ目は、ブティックスの「マッチング・ファースト」という理念が当社と共通の理念だったということです。私たちはイベント事業にしても人材紹介事業にしても、その追求にこだわりを持っています。売上偏重主義のような方向性は避けたいと考えていたので、そこの合致は大きかったです。2つ目は、ブティックスがBtoB向けイベント事業を行っていて、イベント業というものをプロとしてよく理解されていたという点です。ここについては話していても安心感がありました。営業、集客、運営、これを三位一体でやるというのは結構難易度が高い。その辺のノウハウがあるところと組みたい、というのは大きかったです。
Q. 新村さんに質問です。なぜ、リアライブをグループインさせようと考えたのですか。狙いを教えてください。
新村:ブティックスは、「商談型展示会」と「M&A仲介」が、事業の2本柱となっています。商談型展示会というのは、商品の売り手と買い手をマッチングする事業で、M&A仲介事業というのは、売り手と買い手をマッチングするという点は同じですが、その対象となるのが「会社のそのもの」で、いわゆる企業買収や譲渡のマッチングを行う事業です。当社は、この2つのマッチング事業を、介護業界やIT業界など、業界に特化して展開している会社です。
そんな中、今までのノウハウ、顧客基盤を活かしながら、第3のマッチング事業を立ち上げられないか、ずっと模索していたのですが、そのリサーチのため、当社のお客様に何が一番困っているか聞いたところ、圧倒的に「人手不足」が課題であるという声が大勢を占めていました。「ブティックスさん、次は人材事業をやってもらえないか」と。これは次の事業としては絶対に人材事業だなとかなり前から決めていました。ただ自前では立ち上げにすごく時間がかかりますし、立ち上げたとしても成功するかどうかは未知数なので、やはりきちんとしたノウハウを持っている会社にご参画いただくことで、第3の事業としてすぐの立ち上げを実現したかったわけです。
その中で、なぜリアライブか、ということになるのですが、柳田さんも仰っていた通り、私も「入社3年後のミスマッチをなくす」という企業理念に非常に惹かれたところがありました。うちのマッチング・ファーストと同じじゃないかと。それを我々も目指していて、同じ理念を持った会社と一緒にやりたいというのがありました。人材会社にグループインしていただくために、実は数十社の人材会社にアプローチさせていただいたのですが、正直ピンと来る会社がなかなかない。そんな時、ご縁があって柳田さんとお会いしました。事前に伺っていた「入社3年後のミスマッチをなくす」という理念はもちろんですが、栁田さんとお会いして、事業に対する思いや考え方などをお聞きするうちに、もう「リアライブしかない」と思うようになりました。熱意をもって、採用におけるミスマッチを何とかなくしていくんだ、という理念を貫いていらっしゃることに、非常に共感したからです。我々も同じく、既存の展示会のあり方を変えたい、M&A仲介のあり方を変えたいので。これはもう絶対に一緒にやっていきたい!ということを確信しました。それで熱烈なオファーをさせていただいたところ、柳田さんからも良いお返事をいただき、グループインいただくことなりました。
「第3のマッチング事業」という言い方をしましたが、お互いの顧客基盤のシナジーはすごくあると思っていまして、例えば、当社ではIT業界向けの展示会を開催していますが、全ての出展企業様、来場者様にアンケートを取ると、人材採用ニーズが非常にあるわけです。それらの声に応えて、リアライブがサービス提供していけば、大きなビジネスチャンスになると考えたのも大きいですね。
Q. グループイン後、6か月間の手ごたえについてお聞かせください。
新村:リアライブについて、私が最初に感じたことですが、すごく熱意を持った社員が一人一人とても良い仕事をしていて、商品もすごく良質。ところが、急成長してきた組織なので、仕組化や教育体制が、まだ十分にできていない、ということでした。実はブティックスも、かつて同じような経験があり、一時期、業績が伸び悩んだことがあるのですが、仕組化と教育体制を整備したことで、一気に成長軌道に乗せることができました。逆に言うとリアライブも、仕組化と教育体制を作れば劇的に伸びる会社だと感じていますので、これに真っ先に着手しています。
その点、新社長の松島さんは、仕組化を推進するのを得意としていて、現在、諸々のルール設定や、評価制度・教育制度の構築を進めています。まだまだやるべきことは沢山ありますが、今まで個々人が属人的にやっていたことをきちんとルール化して、仕組みとして運用する体制が、ようやくできてきたかと思います。
それともう一つは新規イベントの立ち上げです。IT業界特化型イベントという新しい試みなのですが、出展企業側・学生側ともに非常に満足度が高いです。これをブラッシュアップしていったら非常に良い事業になるのではないかと手応えを感じています。
Q. グループイン前と後とで、ギャップをお感じになることはありますか。
新村:これがですね、別に隠しているわけじゃなくて、本当にギャップがないんです。私は、人としての「ベクトルの向き」を大切にしているので、その点で企業理念である「入社3年後のミスマッチをなくす」ということと「マッチング・ファースト」が合致していたという点が、非常に大きかったのではないかと思います。
柳田:これは、新村さんと松島さんはじめ経営陣の皆さんが、常に真摯な対応をしていただいているから、うちのメンバーも真っ直ぐ向き合えているのだと思います。もし、すごく高圧的だったり、一方的だったりすると、メンバーもおそらく反発していたかもしれません。
松島:それは逆も然りだと思っています。我々が行ったときに、「何か、外からやってきたぞ」みたいに構えられちゃったら、我々も難しい対応を迫られていたかもしれません。
柳田:確かにそれはなかったかも(笑)。
松島:皆さん真っ直ぐに「これからどんな新しいことが始まるんだろう!」、みたいなポジティブで素直な受け止め方だったので、我々も素直に伝えたいことが伝えられたと感じています。
提携当初に人事評価制度を改訂したことも、社員の皆さんから「昇格・昇給基準が明確になった」とお声をいただきましたし、リアライブとブティックスで行った合同パーティも社員の皆さんに非常に楽しんでもらえました。
Q. 松島さんは、2023年10月1日にリアライブの社長に就任されました。社長として力を入れていきたいことについて教えてください。
松島:2点あります。1点目は、数値管理の徹底です。経営というと、どうしても数値だけでは判断できないところも当然ありますが、大方の症状は数値が表してくれることを経験してきました。やはりその数値を履歴として残しておき、それを基に意思決定していくということが非常に重要だと思っています。
2つ目は育成と採用。教育プログラムをしっかりマニュアル化し、これをもとに丁寧に育成していく。優秀な人と一緒に働くと更に互いの力を出しやすくなることは既に社員の皆さんが証明しているので、優秀な人材の採用を継続して、多くのメンバーと3年後のミスマッチをなくすことに邁進していければなと思います。
Q.これまでの経営戦略から何か変更があるのでしょうか。
松島:先ほどから柳田さんと新村さんが仰っていたとおり、「入社3年後のミスマッチをなくす」と「マッチング・ファースト」という理念がそもそも非常に近いので、大幅な経営戦略の変更は考えていません。柳田さんが仰った「年間1,000開催」というのも、私たちが引き続き実行すべきビジョンと考えています。採用イベントのみならず、個別に企業様とのマッチングを行う人材紹介事業も、イベント事業と双璧をなす中核事業にすべく注力している最中です。そういった意味で、大きな変更はありません。
Q. 最後に、ひとことメッセージをお願いします。
松島:今年の4月にブティックスがリアライブの経営に参画して以来、「社員の皆さんが非常に前向きで真っ直ぐであること」「お客様に愛されていること」をずっと感じていますが、この素晴らしい資産をしっかりと受け継ぎ、よりミスマッチをなくすべく組織を進化させていきたい。「あの時あの判断をして良かった」と思っていただけるように。
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―柳田会長、松島社長、新村取締役、ありがとうございました。